SMAP“9月危機” メリー副社長vs.中居正広〈“キスマイ粛清”で中居、飯島元マネを直撃!〉

異様な公開謝罪で鎮圧されたSMAPの造反。だが中居は納得していなかった。飯島氏の後任への引き継ぎは遅れ、SMAPの25周年企画は宙に浮いたまま。中居が手掛けたキスマイのCD発売も目途が立っていないなか、九月の契約更新を前に火種は燻り続けて……。

 三月下旬のとある夜。東京・六本木でテレビ局関係者らしき男性と、うどん屋から出てきたSMAP中居正広(43)は、雑踏の中で呼び止めるのを躊躇(ためら)っていた小誌記者を目敏く見つけ、怪訝な表情を浮かべつつ自ら歩み寄ってきた。記者の顔を覗き込む中居。こちらが「週刊文春です」と名乗ると一転、笑みを浮かべてこう話し出した。
「俺の嗅覚もすごいね(笑)。何が聞きたいの?」
――今後もSMAPの活動を続けるんですか。
「はははっ(笑)」
――(ジャニーズ事務所との契約が満了する)九月はどうされるのか。

キムタクとの不仲は深刻

「俺、なんも知らないもん。だって。なーんも知らないよ」
 まるで他人事のような口ぶりだが、中居の言葉に偽りはないだろう。
 瞬間最高視聴率が三七%を超えた「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)での謝罪会見から約三カ月。メンバー五人が揃って謝罪したことで、日本中に波紋を広げたSMAPの解散騒動は終息し、元の鞘に収まったはずだった。
 だが、その後もメンバー間に生じた不和は解消されることはなく、それどころかますます亀裂は深まっている。特に、“独立派”の急先鋒に立った中居のジャニーズ事務所内での立場は危うい。
「騒動後、メリー副社長とは直接話をできない状態だったと言います。中居は事務所のスタッフともほとんど連絡を取らず、自分の目先のスケジュールさえ把握していない。三月、NHKの歌番組の司会をやることもラジオのリスナーに指摘されてはじめて知ったほどでした」(芸能関係者)
 四月二十四日、中居はプライベートの時間を利用して熊本地震被災地を訪れ、炊き出しを行った。だが、各テレビ局がこの“美談”を取り上げようとしたところ、なぜかジャニーズ事務所からNGが出たという。
 独立に反対し、事務所に残留することを決めた木村拓哉(43)との不仲も深刻だ。
「唯一、メンバーが全員集って仕事をするのが『スマスマ』ですが、いまだスタジオ観覧の客を入れることができません。フジの亀山千広社長は九月に『スマスマ』が打ち切られる可能性を否定しましたが、正直、現場はかなりぎくしゃくして、スタッフも気疲れしている」(フジ関係者)
 別の日に、小誌は中居が「スマスマ」のチーフプロデューサー・黒木彰一氏と食事をし、二人で中居の自宅マンションに入っていく場面を目撃した。黒木氏は独立騒動でジャニーズ事務所を退社した元マネージメント室長の飯島三智氏(59)と親しく、窓口だったことから業界では“飯島派”のひとりと目されていた人物だ。

ファンクラブ会報が途絶えた

「四月の人事異動に伴い、フジは十二班あったバラエティの制作班を統合。黒木プロデューサーは後輩の別の社員の下に就きました。業界では“飯島派”外しの一環だという噂になっています。局の幹部は『更迭や降格ではない』と言い張っていますが」(同前)
 だが他局でも同様に“飯島派”の局員が異動するケースが目立ち始めている。
「TBSは『金曜日のスマイルたちへ』のCPが経営企画室に異動。NHKも、紅白歌合戦SMAPを司会にしようとした番組部長が金沢支局長に異動しました」(テレビ局関係者)
 いずれも出世や栄転といった形を取っているが、飯島氏と近かったスタッフが次々と現場を離れているのは偶然ではないだろう。
ジャニーズ事務所では近く、メリー副社長の娘である藤島ジュリー景子副社長が社長に就任することが決まっている。テレビ局でもジャニーズの新体制に向けた忖度(そんたく)がさっそくはじまっているということなのです。ジャニーズ内部でも、今後、構造改革がはじまるそうで、その一環で全タレントを統括する制作プロジェクト本部長にジュリー副社長の腹心が抜擢されました。全体的に若返りを図るそうで、これまで副社長を『ジュリーちゃん』と呼んでいたような古参の幹部は肝を冷やしています」(事務所関係者)
 だが、SMAPのすべてを取り仕切っていた飯島氏の退社は、ジャニーズ内に混乱をもたらしている。
ジャニーズ事務所は、もともと“粛々と”がテーマのような会社ですから、社内の空気にさほどの変化はありません。ただ、SMAPに関しては、飯島さんからの引き継ぎが遅れ、業務に支障をきたしているのも事実です」(同前)
 騒動の余波をもろに受けたのはSMAPファンだ。
「以前は年に四回来ていたファンクラブの会報が、去年の十月から半年以上、来ていません。最後の会報には(木村)拓哉がサメに注意しながら海に浸かったことや、炎天下にゴルフを楽しんだことなど夏の思い出が綴られていました。会費の四千円はしっかり取られています」(会員の女性)
 会報もさることながら、新規の入会者には会員証の郵送が遅れる事態も生じているという。

中居は「文春さんは敵!」

 かつては下にも置かない扱いだったSMAPの待遇も悪くなる一方だ。今年はデビュー二十五周年の節目。それでもテレビの記念特番はなく、コンサートやイベントもいまだ開催時期が未定という状態だ。
「五十六枚目のシングルは現段階で制作の予定すらありません。今までSMAPの曲は、レコード会社やアーティストがまず飯島さんにお伺いを立て、彼女の判断と責任のもとで、企画が進行していました。すぐに彼女の代わりができる人はいないし、そもそも今の状況では誰もやりたがらないでしょう。飯島さんは有能なスタッフを個人的な理由で切り、周りにイエスマンばかり置いていたため“チーム飯島”は彼女がいなければまったく機能しないのです」(音楽誌記者)
 中居がプロデューサーを務める、同じくジャニーズの「舞祭組(ブサイク)」のCDアルバムも、昨年九月の段階で発売が告知されながら、三月のリリース予定を過ぎてもいまだ目処がたっていない。
「『舞祭組』はキスマイ(Kis-My-Ft2)の派生ユニットで、飯島さんが退社する前から決裁権はジュリー副社長に移っていました。キスマイではジュリーさんは藤ヶ谷太輔(28)がお気に入りで、飯島さんが推していた玉森裕太(26)はそれほど評価していない。飯島さんと中居さんの色が付いた『舞祭組』に至っては活動を続けることすら危うい」(レコード会社関係者)
 飯島派の面々が冷や飯を食わされる一方で、SMAPの独立を阻止した功労者の木村には、新規の仕事が舞い込んでいる。
「来年一月クールの日曜劇場枠(TBS系)のドラマに主演することが決まっています。プロデューサーは一三年に同じ枠で『安堂ロイド』をヒットさせた植田博樹氏。ジャニーズは『ファンを安心させたい』という理由で、TBSに前倒しで今年十月クールに放送できないかと打診していました。実現はしませんでしたが、事務所はそれほど木村を大事にしているのです」(TBS関係者)
 SMAPジャニーズ事務所の契約は毎年九月末に更新され、その判断は六月に前もって為される。現時点では少なくとも木村が契約を更新することは間違いないようだが、そのとき、中居はどうするのか。
 冒頭の直撃場面で、小誌記者はSMAPが解散する可能性についても尋ねている。だが中居は明確に否定せず、こう言った。
「俺が文春に話すわけないじゃん。だって、文春さんは“敵”でしょう!」
 中居が小誌を敵視する理由は分からないでもない。
 SMAPが解散危機に陥った原因の一端は、昨年一月に小誌が掲載したメリー副社長へのインタビューにあった(一月二十九日号)。
 SMAPを売れない時代から支え続け、事務所のドル箱に育てたあげた飯島氏はジャニーズ事務所内で一角の地位を築いていた。一方で、嵐やTOKIO関ジャニ∞などを担当するジュリー氏とは長年ライバル関係にあった。各テレビ局はジュリー派のタレントを「J1」、飯島派を「J2」と区別し、それぞれのタレントが現場で鉢合わせしないようスケジュールを調整していたことを業界で知らない者はいない。
 だが、単刀直入に記者が派閥について尋ねると、メリー氏は即座に否定し、目の前で飯島氏にこう言った。
「私、何にも(根拠)なしにね、『飯島、こういう噂だから、あんたクビだよ』と言うことはできない。今、ここで(文春から)こういう話を聞いているから、飯島、私はこう言いますよ。『あんた、文春さんがはっきり聞いているんだから、対立するならSMAPを連れていっても今日から出て行ってもらう。あなたは辞めなさい』と言いますよ」
 飯島氏は腸(はらわた)が煮えくりかえる思いだったに違いない。だが、彼女は感情を露にすることはなく、その場はメリー氏に同調し、派閥の存在も否定した。
「飯島氏のメリー氏に対する反発はそれまでにも潜在的にあったわけですが、この一件が、飯島氏が押し出されるように独立に向けて動き出す決定打になったのは間違いありません」(前出・テレビ局関係者)
 飯島氏はメンバーの中でも特に香取慎吾(39)と草なぎ剛(41)の二人を溺愛していたという。

「自殺」を口にした香取

「仕事のつながりを超えてもはや親子のような関係性でした。特に、小学校の頃から宿題の面倒まで見てもらっていた慎吾は飯島さんを実の母親のように慕っていました。最近もドラマの打ち上げの席で『明日どうなるかわかりません。もしかしたら自殺しているかもしれないですね』と不穏な発言をしていたそうですが、いま一番ショックを受けているのは香取かもしれません」(女性誌記者)
 意外なことに、飯島氏と中居の関係はそれほど良好ではなかった。
「中居君は、けっこう飯島さんの意見に反発するんです。飯島さんも彼には遠慮がちなところがあって扱いに困っているようでした。何より、中居が一番好きなのはジャニー喜多川社長ですからね」(芸能関係者)
 中居よりもむしろ木村の方が飯島氏に従順だった。
「ドラマもCMもすべて飯島さんの指示通り。彼女の方針に反抗したことはほとんどない。だからこそ飯島さんは今回の木村の“裏切り”には相当ショックを受けているはずです」(同前)
 木村はなぜ、二十年以上苦楽を共にした糟糠のマネジャーに反旗を翻したのか。ジャニーズ事務所の幹部にさえ木村の真意は分からないという。木村の父が言う。
「もう四十三にもなる男だからね。でも、あれ(SMAP)で食ってる人がたくさんいるわけで、一人の体じゃないんです。“大人の決断”をしたんだと思いますよ」
 草なぎの父にも尋ねたが、言葉少なに「しょうがないんだよ……」と呟くだけだった。
 一方、大荒れだったのは中居だ。「スマスマ」での謝罪会見の二日後、都内の飲食店でテレビ局関係者らと痛飲していた中居が、赤裸々な本音をぶちまけていた様子が「週刊現代」二月十三日号で再現された。
 同誌によると、中居は「なんか、納得いかないんだよね~」「これって犯罪?」と店中に聞こえる声で、謝罪会見への不満をぼやいた。
 さらに「オレだって、その気になったらやっちゃうよ?」と“独立”を示唆するような発言も。返す刀で「ところでさ、メリーって何なの?」「日本人なんだからさあ」と、メリー氏を痛烈に批判した。
「かなり酔っていたのでしょう。中居は『オレにも義理はある』と飯島氏への恩義も打ち明けていた。木村を非難して『あいつのやり方は、どうしても納得いかないんだよ』とも話していたそうです」(芸能記者)
 だが、その中居が最近、ついに“大人の決断”をしたのだという。
「中居は、最近になってメリー副社長に直接、謝罪したといいます。キムタク以外の独立派の中心は中居でしたから、契約更新を前に、あとは中居が香取、草なぎ、稲垣吾郎(42)の三人をどう説得するかという段階になります。トップ同士の話し合いで九月以降も『スマスマ』は継続する方向で進んでいる。SMAPは今後、少年隊のようになるでしょうね。グループは解散しないが、活動はバラバラ。木村は東山紀之のように事務所の中核になっていくのでしょう」(大手プロ幹部)

飯島氏は9月まで静観の構え

 SMAPは“九月危機”を乗り越えられるのか。ジャニーズ事務所は代理人を通じてこう回答した。
ジャニーズ事務所は、現在に至るまで、SMAPのメンバーが日常を取り戻せるよう、全力でサポートしております。憶測や悪意に満ちた質問にお答えするつもりはございません。メンバーの今後を静かに見守って頂きたいと心よりお願い申し上げます〉
 四月十九日の夜、小誌は今年二月にジャニーズ事務所を退社したあと、海外や国内のホテルを転々として雲隠れを続けていた飯島氏を都内で目撃した。購入したばかりの真新しいアウディから颯爽と降り立つ彼女は、以前より肌艶も良く、幾分ふっくらしたように見えた。飯島氏の知人が語る。
「彼女はジャニーズを去るとき、芸能界の仕事には就かないと話していたそうです。少なくともSMAPが九月の契約更新を乗り越えるまでは大人しく事態を見守るつもりでいます」
 小誌は、飯島氏にSMAPのメンバーやジャニーズ事務所への思いを尋ねた。だが、彼女は一度も立ち止まることはなく、か細い声でこう言うのみだった。
「もう、関係ありませんので……」
 もはやそこにはジャニーズの“影の女帝”と恐れられたオーラはなかった。

週刊文春」2016年5月5日/12日 ゴールデンウィーク特大号