〈情報公開請求〉舛添〈血税乱費〉知事の下劣な金銭感覚 外遊予算3億円以上! ワシントンでは花見三昧 元交際女性は「彼は婚外子の養育費減額で調停を申し立てた」

往復の飛行機はファーストクラス、宿泊は最高級ホテルのスイートルーム――。豪華すぎる海外出張への都民の怨嗟の声も収まらぬうちに、今度は「お花見外遊」へ。血税は湯水のごとく遣うが、自分の懐は決して痛めない。舛添都知事の「金銭感覚」を徹底取材!

 四月十二日午前十一時、成田空港第一ターミナル。
“豪華すぎる大名出張”が大ブーイングを浴びるなか、舛添要一東京都知事(67)は、ニューヨーク行きのファーストクラスに乗り込み、悠々と飛び立った。
 今回の外遊ではニューヨーク、ワシントンを五泊七日の予定で視察するというが、その内実を都政担当記者が呆れ顔で語る。
「何のために行くのか、という大義がありません。三月中旬に日程が発表された時点で決まっていたのは、ニューヨークでの桜の植樹式とワシントンで行われる『全米桜祭り』への参加ぐらい。ワシントンでは二日間にわたり大舞踏会、パレード、ストリートフェスティバルに参加予定ですが、これでは単なる『花見三昧』です。その後、両市長との面談が日程に組み込まれましたが、まず出張ありきで物事が進んでいます」
 その後「無印良品マンハッタン五番街店の訪問」「美術館視察」といった、わざわざ海を越えて知事が訪れる必要があるとは思えない日程だけが増えていった。
 舛添氏の外遊について批判の目が向けられるようになったのは、昨年秋のロンドン・パリ視察の内容が明らかになったからだ。
 この出張では、舛添氏は往復二百六十万円のファーストクラスを利用、一泊約二十万円の最高級スイートに宿泊するなどして、計二十名で五千万円もの血税が使われていた。就任以来、二年で海外出張費はすでに二億円を超え、本年度も年間三億五千三百万円もの経費を計上している。
 共産党都議の清水ひで子氏は、次のように指摘する。
「海外出張一回の平均は約二千六百万円で、これは石原慎太郎知事時代と比べて、一千万円以上高い。その原因は随行の職員を精査せず多数ひきつれ、さらに、その職員が知事と同じクラスの高級ホテル、ビジネスクラスを利用するためです」

貴賓室で大使館職員と打ち合わせ

 その後、新たな無駄遣いも判明した。
「空港の貴賓室の借り上げです。これまでロンドン、ベルリン、パリの出張で利用していますが、計百六十五万円も支払われています。貴賓室利用は石原・猪瀬直樹知事時代にはなかったことです。要人との会談に使うのならまだしも、現地の日本大使館職員との打ち合わせで利用していただけなのです」(同前)
 舛添氏の無駄遣いは国際的にも関心を呼んだ。四月一日の記者会見では、香港のテレビ局記者に「(豪華出張への)批判が消えていないが」と問われた舛添氏は、色をなして反論した。
「それでは聞きますけれど、香港のトップが二流のビジネスホテルに泊まりますか。恥ずかしいでしょう、そういうことであれば。無駄なものはもちろん排します。しかし、必要なことは必要なのです」
 これには、質問した記者も「そういうことを聞きたかったわけでは……」と目を白黒させるばかりだったという。
 一方で八日の会見では、舛添氏は「どのホテルに泊まりたいとか、一回も言ったことはない」と述べているが、都庁関係者はこう反論する。
「都の職員が日程の説明で、『宿泊はこちらです』と提示したホテルが意に沿わないと、知事は露骨に顔が曇るんです。結果、忖度して、一流ホテルを選ぶことになります」
 舛添氏の金銭感覚を検証すべく、小誌では、舛添氏の過去の海外出張の記録を情報公開法に基づき開示請求した。
 肝心な箇所はすべて黒塗りとなっている。
 例えば前述のロンドン・パリ出張では、「現地案内人の経費」として五百三十二万八千円もの金額を計上している。だが人数、一人当たりの単価、時間などが黒塗りになっており、適正価格かどうかさえ、検証できないようになっている。

「東京の姉妹都市に全部行きたい」

「通常こうした場合のガイドの相場は、一日十八万程度です。五日間でも百万程度のはず。複数の通訳を雇ったにしても、ガイド料以外の経費が上乗せされているのかもしれません」(ロンドン在住コーディネーター)
 いずれにしろ黒塗りでは説明責任を果たしているとは到底、言えない。
「石原元知事時代、業務委託の関連文書は一部非開示もありましたが、内訳が全面開示されたものもあり、不自然な業務委託費が発生していることは検証できました。都は、個人情報に関わる事項以外は公開し、透明化をはかるべきです」(前出・清水氏)
 周囲には「知事在任中に十二ある東京の姉妹都市に全部行きたい」と語っている舛添氏は、会見でも次のように述べている。
「(東京は)何よりも二〇二〇年五輪の開催都市ですから、世界中の人たちと仲良くしないといけない。(略)香港や中国が、『日本はけしからんからボイコットして出ない』というようなことはあってはいけません」
 五輪ボイコットを防ぐために外遊していると言わんばかりだが、前出の都政担当記者は首を傾げる。
「舛添氏が外遊しようがしまいが、五輪をボイコットすると決めた国は強行するでしょう。論点のすり替えも甚だしい。なぜ外遊に熱心かといえば、都知事退任後、国政に返り咲きたいという思いを持っているからです。今のうちにパイプを築こうとしているのです」
 舛添氏は国会議員時代にも、巨額の“金銭スキャンダル”を起こしている。
 二〇一〇年舛添氏は自民党を離党し、新党改革の代表に就任する。この新党がスキャンダルの舞台となった。同党の事務総長を務めていた山内俊夫・元参院議員が告発する。
「舛添氏が国民の税金で億単位の借金を返済した疑惑が浮上したのです。舛添氏は党役員会の承認もなく、二〇一〇年の参院選にむけて、党名義で銀行から二億五千万円の融資を受けていますが、この融資は舛添氏と、現代表の荒井広幸氏だけが把握しており、私を含め、他の議員や党員には一切知らされていません」
 山内氏らは後に政治資金収支報告書によって、借入金の存在を知ることとなる。収支報告書によると、新党改革は、二億五千万円の借金を、一二年に完済している。
政治資金に詳しい弁護士に調査してもらったところ、借入金の返済は政党助成金や立法事務費といった税金を原資としたお金が財源だという結果でした。
 舛添氏に何度も説明を求めましたが、一切答えようとしなかった」(同前)
 また政党本部と舛添氏や荒井氏の資金管理団体などの間で、支出した資金を再び政党本部に還流するなど不透明なやり取りがなされており、「返済金の出所を隠蔽しているのではないか」(山内氏)という。
 政治資金オンブズマン共同代表の上脇博之・神戸学院大教授は、次のように問題点を指摘する。
「政党助成法では、政党助成金を借入金の返済に充てたと記載することを認めていないため、結果的に立替え払いの場合を除いて返済に充てることができない仕組みになっています。そもそも返済に充てる目的で助成金を迂回させるのは、迂回の記載が虚偽記載罪に該当するおそれがあります。立法事務費を借金返済に使うのは目的外支出です。いずれも業務上横領の罪に問われる可能性があります」(現代表の荒井氏は、「法律に則って適正に処理しています」と回答)
 結局、舛添氏は二〇一三年に任期満了に伴い議員を退職、翌年の都知事選に出馬し当選するが、議員退職にあたっては、こんな“銭ゲバ騒動”もあった。
 舛添氏には現在の妻との間に二人の子供がいるが、さらに二人の元恋人との間に三人の婚外子をもうけている。

交際相手の実家財産を“値踏み”

 八八年、舛添氏との間に一人の男児をもうけたAさんが、今回小誌の取材に応じた。
「出会ったのは、彼が東大助教授の頃で、私は指導を受けていました。当時、彼は片山さつきさんと結婚していたのですが、『妻とはすぐ別れるから』と猛アタックしてきました」
 その言葉を信じたAさんは舛添氏を両親に紹介した。Aさんの母親が語る。
「舛添さんは挨拶に来ましたが、いきなり『二千万円くらい有りますか』と聞くので驚きました。ウチの財産を値踏みする態度に憤慨しましたが、いずれ娘が結婚する相手と思って我慢しました」
 その後、結婚話は立ち消えとなったが、舛添氏は婚外子への月二十二万円の養育費を支払うこととなる。
 ところが――。
 一二年に突然、弁護士を通じて、舛添氏から減額の調停を起こされたという。
「『収入が激減した』、『子供が成人した』というのが主な理由でした。しかし調停で明らかになったのは、一一年に、彼が競馬で約八百万円の損害を出していた事実です。また子供は二十歳を過ぎていますが、重度の障害があり、経済的自立は難しい。もちろん彼もその事情を知っています。それまで全く連絡を寄越さずに、いきなり養育費の減額を求めてくるとは。実の息子に愛情の欠片すら見せない男性に、どうして東京のトップが務まるのでしょうか」(Aさん)
 結局、Aさんが減額に応じなかったため、舛添氏は調停を取り下げたという。
 舛添氏に話を聞くべく、自宅で直撃したが「ここではやりませんから」と質問に答えることはなかった。
 養育費は値切るが、血税は乱費する――。
 果して、こういう下劣な金銭感覚の持ち主に東京オリンピックを任せていいのだろうか。

週刊文春」2016年4月21日号