【選択_201503】農水相に返り咲いた林芳正氏に 宏池会内部から「官邸の走狗」と批判

 自身の政治団体への献金問題で辞任した西川公也農水相。その後釜に収まった林芳正氏の自民党内での評判が悪い。

 林氏は二月に山場を迎えた農協改革で、党農水族の中核を担った。林氏は二〇一二年に農水相に就任するまでこの分野はまったくの門外漢だった。農水族入りは「菅義偉官房長官の意向」(政治部記者)とされ、今回の折衝では「官邸の改革案の伝達役をしていただけ」(同)だった。

 実は、安全保障法制の与党協議のメンバーにも選ばれていたが「これも官邸の意向のメッセンジャー」(前出記者)の役割を期待されただけという。林氏が籍を置く宏池会は、安倍官邸と異なる外交方針を持つことは周知の通り。「官邸の走狗」へ派内の視線は冷ややかだった。

 西川氏の辞任に伴い、「身体検査の余裕がなく前任者の林氏が農水相に選ばれた」(別の政治部記者)という事情があるにせよ、今回の返り咲きは官邸の意のままに動き続けたことへの論功行賞という面が否めない。一二年の総裁選では安倍首相の対抗馬として出馬した林氏だが「このままでは『ポスト安倍』レースへの参戦は夢のまた夢」(派閥幹部)と失望が広がっている。